英数字 あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 ら行
国際照明委員会のフランス語名であるCommission Internationale de l'xclairageの略。この委員会は照明およびカラーを含む関連分野の規格化を図るため設立された。CIEは波長の関数としての光源、被写体、観測者を定量化する数理モデルを発展させた。1931年、CIEはCI観測者の骨幹においてカラーの概要の基本コンセプトを定義した。成果として良く知られているものに、カラーを描写するための基本的なカラースペースである色度図の開発がある。
CIE L*a*b*
三次元の直交座標系ですべてのカラーを表す機器非依存の均等カラースペース。各次元は、明度(L)、緑方向(+a)/赤方向(-a)、黄方向(+b)/青方向(-b)
CIE LCh
三次元の極座標系ですべてのカラーを表す機器非依存の均等カラースペース。各次元は、明度(L)、彩度(C)、色相(h)の角度。
CMY
シアン、マゼンタ、イエローという減法混色の原色から成るカラースペース。
CMYK
印刷業界でカラーの再現に使用されるカラーモデル。CMYの顔料を使用しても現実的に限界があった深い黒の再現をブラックの追加により補っている。
ColorSync
Macintoshコンピュータに搭載されたカラーマネジメントアーキテクチャ。
FOGRA
FOGRA Graphic Technology Research Association (所在地:ドイツ、ミュンヘン)は、印刷技術のリサーチと開発を重点的に行っている。FOGRA の事業はリサーチ、開発、業界へのノウハウの譲渡、スタンダードの展開、コンサルタント、技術報告である。
GCR(グレー置換)
グレーの成分をブラックで置き換えること。しかしGCRはUCRとは異なり、より彩度が上がる効果がある。故にGCRでは強くはっきりとしたブラックを表現できる。
HKS
印刷業界で使用されている表色法の1つ。HKSシステムはCMYの組み合わせを増分順に並べ、加えてブラックインクのさまざまなレベルのサンプルから成る。印刷用インクや用紙、印刷工程がさまざまであるため、HKSカラーは大まかな目安と考える。
ICC
International Color Consortium の略。カラーマネジメントシステム(CMS)のオープンアーキテクチャの開発や標準化を促進する目的で、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラムおよび周辺機器の主要なサプライヤにより1993年に設立された。
PANTONE システム
デザイナや印刷業者がカラーのやり取りをするのに使用される。コート、上質、マットコートがあり、各見本帳には一連のカラーが割り当てられている PANTONE 表記付きで納められている。
RGB
加法混色における3原色(赤、緑、青)。カラーテレビ、コンピュータのモニタ、舞台照明などでは、3原色の加法混色でカラーを再現する。
UCA (下色追加)
輝度とコントラストを強めるために中間色や暗い部分の下にシアン、マゼンタおよびイエローを下地として追加すること。
UCR (下色除去)
シアン、イエロー、マゼンタの組み合わせて作られたグレーのシャドートーン部分をブラックで置き換える手法。UCRは中間色やグレー軸に近い暗い調子の表現において最良の効果を生む。製版業界では、これを「スケルトン・ブラック」と呼ぶ。
色再現
異なる機器でカラーを再現する工程。一般的な色再現の方法として、加法混色と減法混色がある。
色適正
カラーを理解し、カラーに関わる仕事をする能力。継承されたスキルと業務経験の両方を含む。
色特性
物体の外観の三次元的指数。通常1つの次元で明度を、他の2つの次元を合わせてカラーを定義する。
色の許容差
標準(基準)とサンプルとのカラーの誤差の許容範囲。
色分解
4色プロセス印刷用にひとつの色または画像をCMYKに変換する工程。CMYKのさまざまな組み合わせによって特定のターゲットとするカラーを実現する。色分解の設定は、特定の工程に合わせて定義される必要がある。
可視帯域
人間の目で見ることができる、波長が 380 nm から 740 nm までの電磁スペクトル。
加法混色
さまざまな色を表現するために、色光の三原色(赤、緑、青)を混ぜ合わせる方法。 例えば、緑と赤を混ぜ合わせることでイエロー、同様に赤と青でマゼンタ、青と緑でシアンができる。
カラー
光源、物体、観測視野角間の相互作用に起因するカラーの現象。標準数理モデルを使用して、波長の関数としての光源、物体、観測者を定量化することができる。光源は標準光源として、物体は分光データから、観測視野角は観測視野角関数からそれぞれ定量化する。これら3つの要素を組み合わせ、人間の視覚体系が与えられたカラーにどのように反応するかを表す値を計算する。
カラースペース
一般に、系統立てた等級のカラーのコレクション、またはカラーを順序づける体系を指す。カラースペースは、サンプルの実際的なコレクション(例:マンセル)、または数学的体系(例:CIELab)で定義することができる。
カラーマネジメント
色を管理し元画像の色を、スキャナからモニタ、色校正、最終出力まで一致させる方法。
カラーマネジメントモジュール(CMM)
ICCプロファイルを使用して、カラーデータを1つのカラースペースから別のスペースへ実際に変換するカラーエンジン。
観察条件
視覚による色評価を行う場合、視幾何(物体を見る時の角度や、物体に当たる光の方向)とサンプルの環境の組み合わせをコントロールすることが重要となる。
観察ブース
特殊な囲いのある照明付きのボックスで、管理された照明の条件下でカラーサンプルや色校正、印刷物を評価するのに使用される。
観測視野関数
CIEが実施した大規模な実験により測定された、各波長における正常な人間の目の平均的反応。カラー感知には3つの種類があるため、標準観測視野として知られる3つの観測視野関数がある。
基準
色差の評価において、基準はすべての測定時に比較される側のカラー。標準とも呼ばれる。
輝度
プロダクトカラーの彩度と明度の両方。
キャリブレーション
常に統一のとれた一貫性のある色にするために、デバイス(例:モニタなど)あるいはプロセス(例:オフセット印刷など)に備えて、基本的な設定を特定の値に調節する工程。これにより安定したICCプロファイル条件を得るための基礎が築かれるため、プロファイルを作成する前に実行する必要がある。
均等カラースペース
カラースペース内での位置に関係なく、同じ数値の違いが同じ視覚の違いを表すカラースペース。真に一定のカラースペースの実現がカラーサイエンティストの長年の目標だった。ほとんどのカラースペースが、完全に均等ではないが、色度図と比較すればほぼ均等なため、均等カラースペースと呼ばれる。
クロマチック
色味(色相)がある、中間色(黒、白、またはグレーなど)でない。
減法混色
原色であるシアン、マゼンタ、イエローの顔料や染料などのインキを混ぜ合わせる方法。3つの原色をすべて混ぜ合わせると、結果の画像は理論的には黒になる(光がすべて吸収されるため)が、現実にはインキに含まれる不純物他の影響によってそうはならないので基本的にはそれを補うためにブラックの顔料や染料も併用される。
光源
機器または視覚で観測する状況において、光という形で放射エネルギーを提供する要素。
彩度(Chroma)
マンセル表色系で使用されるカラーの属性で、同じ明度のグレーから見た成分の混合度合いを指す。彩度(saturation)の次元と相関する。
彩度(Saturation)
カラーの持つ3つの特性の1つで、カラーの純度を示す。カラーへのグレーの混合率が上がると彩度は下がる。カラーの純度の差は、カラーの濃さや薄さで表現する場合もある。
サンプル
色差の評価において、サンプルは測定され、基準と比較されるターゲットのカラー。
紫外線
可視帯域のすぐ外側の波長を持つ放射線。
色域(ガモット)
特定のカラースペースまたは特定の機器で再現することができるカラーの範囲。
色彩の恒常性
知覚される物体のカラーが異なる光源の下でも一定に保たれること。
色差 ─ 視覚的
視覚的色差とは、人間の目で見た2つのカラーの違い。通常、一方を他方と比べて明るい、暗い、赤が強い、緑が強い、青が強い、黄が強い、淡いなど、性質を表す用語で示される。
色差 ─ 数値的
2つの異なるサンプルの色座標値の差。2つのカラーの違いを量で表す。
色差 ─ 方程式
2つのカラーの違いの大きさを計算する数学的方程式。
色相(Hue)
カラーが持つ3つの特性の1つで、赤と緑、青と黄などの違いを区別すること。
色度図
実用としての用語では、二次元のグラフで色相と彩度でカラーを表す。このグラフの第三の軸は輝度の要素つまり明度で、色相や彩度から独立している。このグラフ上の座標によって、おおざっぱにどのカラー(赤、緑、青、紫など)であるか、そしてどの程度の純度かを示すことができる。すべてのカラーをグラフに描くと特徴的な馬蹄形になる。
スキャナプロファイル
スキャナプロファイルには、スキャナ固有の RGB スペースの CIELab 系への変換方法が記述される。テストチャートでオリジナルのどのカラーがスキャナのどのRGBカラーに変換されるかを定義する。しかしテストチャートにはスキャナの全色域しか網羅されていないため、機器の色域の外側にあるカラーを描写するのはプロファイルソフトウェアの役割となる。
デジタルカメラプロファイル
デジタルカメラプロファイルには、デジタルカメラ固有のRGBスペースのCIELab系への変換方法が記述される。テストチャートでオリジナルのどのカラーがデジタルカメラのどのRGBカラーに変換されるかを定義する。しかしテストチャートにはデジタルカメラの全色域しか網羅されていないため、機器の色域の外側にあるカラーを描写するのはプロファイルソフトウェアの役割となる。
テストチャート
入出力機器用の ICC プロファイルを作成するのに使用されるカラーパッチのコレクション。よく使用されるテストチャートは IT8.7 で、モニタやスキャナ、デジタルカメラおよびプリンタで使用されている。テストチャートは紙や透明な素材、ファイルとして提供される。
デバイス依存カラースペース
特定のデバイスがどのようにカラーを再現するかに基づいて定義されたカラースペース。RGB や CMYK は両方ともデバイス依存のカラースペースである。
デバイス非依存カラースペース
人間の目で見ることができるすべてのカラーを表すことができるカラースペースで、特定のデバイスでカラーを再現するのに使用する顔料とは無関係。
デルタ E(ΔE)
合計色差の一般名。均等カラースペースすべてに対して合計色差を示ために使用する。合計色差は、2色間の相違の大きさを示す数字1つで表される。この数値は色差の性質を示すものではない。
同時対比
あるカラーの知覚のされ方に周辺色が影響を与える現象。
特性
外観の感覚、知覚、形態を特徴づける性質。
ナノメートル (nm)
100万分の1ミリメートルを表す単位。波長はナノメートル単位で測定される。
濃度計
反射または透過の濃度を測定する装置。エックスライト社はグラフィックアーツ業界用に様々なプロ仕様の濃度計を用意している。
白色点
再現することができる最も明るいカラー。モニタ上で再現できる最も明るいカラーは、理想的に100%RGBである。2つのモニタを並べて100%RGBを比較した場合、一方が他方に比べて明確に青く見える場合もある。スキャナの場合では、スキャナが白色と認識すべきカラーの定義。これは、ハイライトおよびシャドーの再現性をコントロールするのに使用される。印刷における白色点は、用紙の白色度に依存する。測色用語において白色点は、白色光源やその他の物体からの放射の色度と定義されている。白色点は色温度や色度座標といった用語の中で解説されている場合もある。
波長
波の隣接した2つの頂上間の間隔。
反対色説
概念的に人間の視覚系がどのようにカラーを感知するかを説く。人間の視覚系では、赤と緑が反対色で、黄と青が反対色である。これは、ある物が赤の場合そこには緑は含まれていない(しかし青または黄が存在する場合もある)ことを意味する。同様にある物が黄の場合、青は含まれていない(しかし赤または緑が存在する場合もある)。この説は、CIELab や CIELCh などほとんどの均等カラースペースの基礎となっている。
光
人間の通常の肉眼で関知することができる 380(紫)から約740(赤)ナノメートル(nm)までの幅の波長の電磁放射線。
標準光源
標準光源とは近似的に実現した光源を指す。技術的に言えば、理論上の実在光源の数学的な表現である。数字は、可視スペクトル中の各ポイントでの理論光源の相対的な出力を表す。
標準光源 A
タングステンハロゲン(白熱灯)の数学的表現。色温度:2856K。典型的な住宅または店舗のアクセント照明。
標準光源 B
照明器具や写真用フィルムで使われる。色温度は4870K、正午の太陽光に相当する。
標準光源 C
照明器具や写真用フィルムで使われる。色温度は6740ケルビンで青空を含む昼光に相当する。
標準光源 CWF-2 (F2)
アメリカで使用されている工業用の広帯域蛍光灯(冷白色の蛍光灯)の数学的表現。色温度:4150K。アメリカでは典型的なオフィスや店舗の照明。
標準光源 D50
真昼の太陽光の数学的表現。色温度:5000K。グラフィックアート業界でカラーの一貫性や品質を評価する際に使用する。
標準光源 D55
真昼の太陽光の数学的表現。色温度:5500K。CIEの平均的な真昼の太陽光を近似的に実現する。
標準光源 D65
平均的な北側の太陽光の数学的表現。色温度:6500K。カラーの全般的な評価に使用される最も一般的な昼光光源。
標準光源 D75
平均的な北側の太陽光の数学的表現。色温度:7500K。カラーの全般的な評価や、ASTM D1729に概要が述べられているように不透明素材の評価に使用される。
標準光源 TL84
ヨーロッパや環太平洋地域で使用される工業用の希土類リンで 狭帯域蛍光灯の数学的表現。ヨーロッパや環太平洋地域の典型的なオフィスや店舗の照明を近似的に実現する。
標準観測視野
色を見る角度のことで、人の色の見え方は見る角度にも影響されるため、CIEにより次の実験が行われ標準視野として2度視野と10度視野が決められた。CIE は、標準観測視野を定量化するための2種類の実験を2度に渡って実施した。1931年の実験は、2度視野(腕を伸ばして自分の親指の爪を見るような状態)で行われ、これにより2度観測視野が確立された。第二の実験が1964年に10度視野(ほとんどのカラーを見る視野としてより相関性が高い)で実施され、これにより10度観測視野が確立された。
表色系
三次元カラースペースに基づいてカラーを伝達する方法。表色系を形成するカラーのコレクションにおいて、 コレクションは三次元カラースペースですべてのカラーを象徴するものであり、かつ、カラーは論理的で視覚的な数列であるか相互関係があること。表色系に導入されるカラーはいずれも論理シーケンスで表色系に当てはまること。既存のカラーとの僅かな相違は一部分のステップで簡単に表すことができ、サンプルが提供されない場合でも表色系の値によって容易に伝達できること。また、表色系を描写する媒体は一定で再現可能なものであること、等が必須である。最も知られている表色系のひとつには、マンセルがある。
表色法
顧客、デザイナ、印刷業者間でカラーを伝達する方法。最も一般的な表色法に Pantone やHKS があり、カラーガイドや色見本帳、カラーライブラリにもよく使用される。
物体
カラー現象が起こるために必要な構成要素3つのうちの1つ。
不透明
完全な不透明度を表現する言葉。例えば、ある標本がその下にある基盤を覆い隠す様な場合を言う。“透明(transparent)”の反対。
ブラック
物体が光源からの全波長を吸収する場合に生じる色。
ブラックポイント
画像内でスキャナが黒と解釈すべき基準となる色。スキャンされた画像において、ブラックポイントより暗い色はすべて黒になる。ブラックポイントよりも明るい色は必要な色に調整される。白色点と共にブラックポイントを設定することで、最適なハイライトとシャドーが再現できる。
プロファイル
カラープロファイルには、ある機器がどのようにカラーを再現するかが記述されている。動詞としても使用され、この場合特定の機器についてプロファイルを作成する工程を指す。
分光光度計
分光の反射率、伝達あるいは放射(モニタ)を測定する測光機器。測定値はグラフ(測定した物体の分光曲線)や数値(交差する可視分光の間隔)で示される。
分光データ
ある物体からの光の各波長の反射に基づいて、物体を独自に識別する方法。
分光反射曲線
分光反射曲線とはオブジェクトのカラー合成をグラフで描いたものである。X 軸が波長(380 nm から 730 nm まで)を、Y 軸が相対的な反射率(オブジェクトからの光の反射量を%で表したもの)を表す。
補色
色再現は一次色に基づいている。一次色の2色を混合すると二次色ができる。この時、シアン、マゼンタ、イエローは加色法で、赤、緑、青は原色法でそれぞれ行う。色相環においてあるカラーの反対側にある一次色や二次色を補色と呼ぶ。補色同士を混合すると、加色法の場合は白に、減色法の場合は黒になる。
マンセル表色系
Albert H. Munsell が 1905 年に作り上げた三次元の表色系。マンセル表色系においてカラーは色相(H)、明度(V)、彩度(C)の特性で識別される。
無彩色
色相のない中間色(白、グレー、または黒)。
明度
カラーの持つ3つの特性の1つで、明るさと暗さを区別すること。
明度(Value)
マンセル表色系において、太陽光下での物体の明るさを示すカラーの特性。0 が理想的な黒を、10 が理想的な白を示し、各段階は視覚的に均一になる。
メタメリズム(条件等色)
一組のカラーが、実在の条件であれ計算上の条件であれ、1つあるいは複数の条件下での一致を呈する現象。しかし見る状況が変化すると一致しなくなる。
メタメリズムインデックス (MI)
異なる2つの光源の下において2つのカラー同士の差異を計算する専門的な公式。MIが2.0以上のときは、通常人間の目で差異を区別することができる。
メタメリックペア
ある特定の条件下で見て一致する一組のカラー。当然ながら見る状況が変化すると一致しなくなる。
モニタキャリブレーション
モニタ上で予測できる色再現が可能なように、モニタプロファイルを生成する前にモニタのキャリブレーションする必要がある。モニタキャリブレーションにより最適な色再現が実現する。
モニタプロファイル
モニタプロファイルには、RGB 角座標、各カラーチャンネルのグラデーションカーブ、ブラックポイント、ホワイトポイントが記述される。
レンダリングインテント
ICCにより定義された色空間変換の方法。「知覚的:Perceptual」・「彩度:Saturation」・「相対的な色域を維持:Relative Colorimetric」・「絶対的な色域を維持:Absolute Colorimetric」の4つが規定されており、それぞれに長所・短所があるため、適時使い分ける。