分光測色計とは

分光測色計とは?


「分光測色計」は色を測定および評価する装置です。分光測色計によって出力される分光反射曲線は、色の「指紋」と呼ばれています。

ブランドオーナーやデザイナーは本装置を色管理プログラムの一部として使用し、カラーコミュニケーションを行います。一方メーカーは、製造全体において色の精度を監視するために使用します。分光測色計は、液体、プラスチック、用紙、金属、布地など多様な基材を測定でき、デザインコンセプトから出荷まで一貫した色を維持します。

分光測色計は多様な素材から色を測定し、数量化します。分光測色計には、ポータブルなハンドヘルド、大型ベンチトップ、インライン装置など様々なサイズがあり、製造工程全体において正確な測定を行います。

エックスライト社は、カラーのトレンド/サイエンス/テクノロジーのグローバルリーダー企業として、多くのハイパフォーマンス測色装置を提供し、インスピレーションから、コミュニケーション、調色、品質管理まで、カラーの一貫性と精度をサポートします。

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業界基準L*a*bの数値で色管理



分光測色計と色彩計の違い?


色の測定器なら、分光測色計以外に「色彩計」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

色彩計は、赤、緑、青の3 つの広い帯域を測定することによって、人間が色を知覚する方法を模倣するデバイスです。ただし、色彩計の機能は限られています。すべての生産アプリケーション、特に調色の目的には適していません。一方、分光測色計は、より高い解像度で色データを取得できます。分光測色計は、さまざまな光源の下で色がどのように見えるかを評価できるため、メタメリズム(条件等色)を識別することが出来ます。

分光測色計と色彩計の違いについて、詳細は以下の2つのブログをおすすめします。


分光測色計と色彩計の違い(ベーシックレベル)

分光測色計と色彩計の違い(アドバンスレベル)


分光測色計の用途


分光測色計で測色する際、色を初めて指定する時から最終品質チェックまで、色が常に一貫していることを検証します。全ての業界を対象に、液体、プラスチック、用紙、金属、布地など多様な基材を測定します。

分光測色計は正確な測定を行い、色変動と不具合を見つけ出し、仕様と生産された色(サンプル)間における変動を数量化します。分光測色計から収集されたデータは改善点を洗い出し、ISO を含む業界基準に準拠します。

各業界で分光測色計をどう活用されるか、さらに知りたい方は以下の対象業界をお選びください。





分光測色計のジオメトリ


反射物体色の測色計では大きく分けて次の3つのカテゴリーに分類されます。

1. 45/0 もしくは 0/45
2. 積分球 d/8 もしくは 8/d
3. マルチアングル(多角度)


0º/45º(または 45º/0º)

分光測色計の用途0/45(or45/0) 最も一般的な分光測色計で、サンプルに固定された角度(通常45º)から反射光を測定します。人間の目が認識する形式に最も近似する光沢を除去できます。一般的に、スムーズまたはマット表面上の測色に使用されます。

 

積分球

分光測色計の用途 積分球積分球装置は全角度から反射される光を測定し、人間の目が認識する形式に最も近い測定値を計算します。一般的に、テキスタイル、絨毯、プラスチックなどの測色に使用されます。また、メタリックインキ、ホイル印刷、光沢度の高い表面などの鏡面にも適しています。

 

マルチアングル

分光測色計の用途 マルチアングルマルチアングル装置は、私たちが左右に動くようにしてサンプル色を観察したり、サンプルを回転させてあらゆる角度を見たりするような感覚です。今日のマルチアングル装置は、特殊塗装された顔料や、雲母またはパール系などの添加物を含む特殊効果色、マニキュアや自動車塗装などの色を測定します。

分光測色計のサイズは、小さいものから大型ベンチトップ装置まで多様です。


分光測色計のジオメトリについて、詳細は以下のブログをご参照ください。

測色計のジオメトリ(光学幾何条件)



分光測色計の種類


分光測色計は、用途と機能に応じて主に3つのタイプがあります。

1.  ベンチトップ分光測色計
2. ポータブル分光測色計
3. インライン分光測色計



1. ベンチトップ分光色測計

エックスライト社のベンチトップ分光測色計は、優れた精度と繰り返し精度を提供するモデルです。サプライチェーン全体において正確な測色と品質管理をサポートします。 自動車、塗料&塗装、プラスチック、 テキスタイルと衣類、化粧品、エレクトロニクス、 用紙、建築資材、耐久消費財、食品・飲料水などの多様な業界を対象に、基準色の作成、調色、品質管理を行います。


ベンチトップ積分球分光測色計 Ci7500

ベンチトップ積分球分光測色計 Ci7500
ベンチトップ積分球分光測色計 Ci7500 は、不透明基材を取り扱うラボや、品質管理をサポートする安価な製品です。

 

ベンチトップ積分球分光測色計 Ci7860

ベンチトップ積分球分光測色計 Ci7860
ベンチトップ積分球分光測色計 Ci7860 は、業界トップクラスの繰り返し精度 ≤0.01 ΔE* および器差 ≤0.06 ΔE* を出力し、正確なデジタルカラーのスタンダードを作成します。

 

非接触イメージング分光測色計 MetaVue™ VS3200

非接触イメージング分光測色計 MetaVue™ VS3200
ベンチトップ積分球分光測色計 Ci7860 は、業界トップクラスの繰り返し精度 ≤0.01 ΔE* および器差 ≤0.06 ΔE* を出力し、正確なデジタルカラーのスタンダードを作成します。

 

2. ポータブル分光測色計

軽量でコンパクトサイズのハンドヘルド分光測色計のため、持ち運びが簡単です。ハンドヘルド分光測色計は、印刷機、ラボ、入庫などにおいて、様々な表面からカラーデータを効率的に測定するツールです。エックスライト社のハンドヘルド分光測色計は、複数の光学幾何条件を用いて多様なサンプルを測定し、一貫性と精度を確保します。


分光濃度・測色計 eXact™ 2

分光濃度・測色計 eXact™ 2
分光濃度・測色計 eXact 2は用紙を専用とし、高度な測定技術や市場初のビデオターゲティング(Mantis™)、WiFi 接続、スマートなインターフェイスを備えています。

 

eXact™ シリーズの分光測色計と濃度計

eXact™ シリーズの分光測色計と濃度計
用紙とフィルムを正確に一貫して測定し、簡易な濃度計から高度な機能が備わった、業界トップクラスの分光測定装置です。

 

ポータブル積分球分光測色計 Ci64

ポータブル積分球分光測色計 Ci64
エックスライト社の最も精密なポータブル積分球分光測色計 Ci64は、正反射光込み/除去の同時測定、相関光沢の測定が可能で、UV 機能(Ci64UV)と測定径から 3 つのモデルからお選びいただけます。

 

ポータブル多角度分光測色計MA-5 QC

ポータブル多角度分光測色計MA-5 QC
コンパクトで軽量な分光測色計 は、現場、ラボ、顧客先において、特殊効果の仕上げを一貫して管理・測色します。

 

ポータブル多角度分光測色計 MA-T6

ポータブル多角度分光測色計 MA-T6
MA-T6 はカラーイメージと 6 つの測定角度を兼ね備え、特殊効果基材の外観と粒子感のビジュアル表示。開発と品質管理の作業をサポートします。

 

ポータブル多角度分光測色計 MA-T12

ポータブル多角度分光測色計 MA-T12
MA-T12 は 12の測定角度を用いて、極めて複雑な特殊効果や複雑な素材を緻密に特徴化し、詳細データを出力します。

 

3. インライン分光測色計

エックスライト社のインライン分光測色計を生産ラインに使用することで、製紙業、コイル塗装、プラスチック、塗装ガラス、テキスタイル、自動車産業におけるカラー精度を継続的に測定および評価。エックスライト社のインライン ソリューションは、わずかな変動でも素早く検出し、生産仕様が許容範囲から外れる前にカラー修正を行い、高い投資対効果を短期間で実現します。


インライン用紙とプラスチックの測色ColorXRA 45

インライン用紙とプラスチックの測色ColorXRA 45
UV キャリブレーション 45/0 非接触インライン分光測色計の小型アパーチャーは、用紙やプラスチック生産の早い段階において色変動を認識します。

 

ガラスコーティングの反射測定ColorXRA G3

ガラスコーティングの反射測定ColorXRA G3
ColorXRA G3 非接触式型反射分光測色計は、塗装ガラス上の多層銀膜や非散乱サンプルの色品質を、ラボおよび生産上で測定します。

 



分光測色計のQ&A


分光測色計はどのように機能しますか?

分光測色計は、光のスペクトル内で反射光または透過光を測定し、特定の照明下における、基材の色を表現するビジュアル曲線を作成します。

白色表面は、可視スペクトル内の全ての照明エネルギーを反射するため、分光反射曲線は約 90% から 100% の反射率における直線になります。黒はほとんどの照明エネルギーを吸収するため、反射率曲線はフラットで、反射率は 0% に達します。中間グレーは白と黒の同等の量が組み合わされており、50% の反射率における直線で表現されます。その他の色は、最も反射される波長範囲の部分にスパイクが見られます。

X-Rite MetaVue などの多くの分光測色計は、正確な位置付けを行うカメラと、簡単操作のタッチスクリーンが備わっています。「Ci64 UV」などの分光測色計は、 蛍光増白剤や蛍光物質の影響を評価します。「eXact」などの分光測色計は、印刷に使用するインキや顔料の分光反射率を測定します。

液体の測色におすすめのモデルは、何でしょうか?

液体 色測定なら、インライン分光測色計VeriColor Spectro をおすすめします。VeriColor Spectroは、着色剤の条件を容易に判断できます。テキスタイル、プラスチック、塗装、食品業界を対象に、正確な色と変更作業を確認できます。

塗料の測色におすすめのモデルは、何でしょうか?

塗料で色管理・色測定を行うなら、積分球分光測色計 Ci6x多角度分光測色計 MAシリーズ を推奨します。Ci6x とMAシリーズは、塗料のスペクトルデータを測定でき、メタリックフレークやパールセントなどの添加剤および、光沢・スペキュラー成分の外観特性を数値化することができます。さらに、塗料 測色では、品質管理ソフトウェア iMatch標準光源装置 も推奨します。
エックスライトでは、塗料業界では以下、4つ分けて適切にソリューションを提案します。

テキスタイル の測色におすすめのモデルは、何でしょうか?

テキスタイルの色測定を行うなら、積分球分光測色 Ci7000シリーズMetaVue VS3200、ソフトウェアColor iQCPantoraを推奨します。そして、テキスタイル業界の数値化・デジタル化の最新ソリューション『テキスタイルカラーハブ』もお試しください。

製紙の測色におすすめのモデルは、何でしょうか?

製紙の測色を行うなら、非接触分光測色 Color XRA45 をお試しください。製造工程において用紙色を測定・監視し、常に正確で安定した色を確保します。フィードバック式の ESWin カラーコントロール用ソフトウェアに連携することで、製紙・パルプ工程における色品質を継続管理し、染料や蛍光増白剤を自動調整します。

ご用途に応じて提案させていただきますので、エックスライトまでお気軽にお問い合わせください。