概要
株式会社サンニチ印刷様(野口英二社長)は、エックスライト社のインキ調色ソフトウェア『InkFormulationソフトウェア』(IFS)を 最新バージョンに更新し、 特色業務をさらに効率化した。“難しい色” の再現で顧客からの信頼が厚い同社では、1990年代初頭からCCMを採用し、 インキ調色のデジタル変革を開始。 今回、IFSの最新版にバージョンアップし、一層、調色作業の効率化を実現している。
課題
調色した特色インキは多すぎても、足りなくてもコストや生産性に影響を与える。色が合わずにインキを足していけば作り過ぎて廃棄処分となり、無駄が生じる。足りない場合は再度、 調色作業が発生し、生産性の低下につながる。顧客が要求する色の再現と、インキ量の調整は調色オペレーターの腕の見せ所となる。
同社では指定された見本の色と、調色した色の差の基準をΔE2.0以内に設定。ただし、測定器で基準以内の結果が出たとしても、インキの被膜や乾燥具合、光源によって色の見え方は変わる。 調色オペレーターはそうした変動要素を考慮し、色を追い込んでいく。
結果
同社では他社製のCCMを導入したこともあるが、「他社のCCMでは合わないことが多く、今はデータの保存用に利用するだけになっています。合わないので補正をかけて追い込んでいくと、 200グラム必要なのに1キログラムにもなったこともあります」 (小倉氏)とIFSへの信頼は高い。現在、同社が利用しているバージョンはIFS6。配合値の精度はさらに上がっており、 今では1回の測定だけで調色が終わることもある。
印刷工程のデジタル化が普及し始めた2000年頃、各社が印刷インキ向けのCCMをリリースしたが、OSの変更に伴うバージョンアップの負担や、OEM開発・製造元の撤退などで、新しい環境への対応や 機能追加が難しくなったCCMも増えている。エックスライト社はMS-DOS時代から印刷業界にCCMを供給。取引先の業種も多岐に渡り、世界的なシェアも高いことから、今後のユーザーサポートも保証している。
初期のバージョンから利用する同社では、高い精度の機能に加え、サポート面での信頼性を含めてIFSを採用。今後も“難しい色” の再現にIFSを活用していく方針である。
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