USWebCoatedSWOPと比較したカスタムプロファイル

プリンタプロファイルのサイズはいくつかの要素に影響されます。

  1. プロファイル内のチャンネル数
  2. プロファイルの参照テーブル内のノード数
  3. プロファイル内に記録されたデータ精度
  4. 参照または今後の使用のために、プロファイルタグに保存された追加データ

参照テーブル(「キューブ」や「プロファイルキューブ」とも呼ばれます)が、プロファイルのファイルサイズを設定する一番の要素です。通常の出力プロファイルにはこれらが6つあり、3つのレンダリングインテントを用いてプリンタのカラースペース間における変換を表現します。CIE-Lab (Lab) カラースペースは装置に依存するプロファイルの接続空間に使用されるため、Labからプリンタのインキまたは着色剤を表現する3つのテーブル、およびプリンタのインキからLabに変換する3つの変換を表現する3つのテーブルがあります。これらは、プロファイルの「分解」と「インキの見え」に例えるといいでしょう。ICCの略記はB2AおよびA2Bです。

多くの場合、プロファイル精度はそれぞれの着色剤とチャンネルのステップ数に依存します。MonacoPROFILERは既定として、B2A(Labからプリンタ)側の軸ごとに33のステップを使用します。これは、各L、a、b軸に33のステップで合計35,937 (33x33x33) の組み合わせがあることを表します。それらのL、a、bの組み合わせまたは「ノード」は、プリンタ着色剤の配合値の組み合わせを必要とします。CMYKプロファイルには、各ノードに対する配合値に4つの数字があります。その結果、RGBプロファイルよりわずかに大きなデータ量が発生します。

プリンタのカラースペースからLabに変換する際、着色剤の数はプロファイルのサイズに大きく影響します。CMYKプロファイルに対し、軸ごとに33のステップを使用すると、A2B (プリンタからLab) は、1,185,921 (33x33x33x33) ノードを含むことになります。RGBプロファイルでは35,937です。ノードにおけるこの指数増加は、プロファイルがB2A側よりもA2B側で軸ごとに少ないステップをもつ主な原因です。

これらの参照テーブルに使用される数値は8または16-bit精度を使用して保存することができます。8-bit精度では、各着色剤に対し256の可能な値があります。16-bitでは65,536です。既定は16-bitで、8-bitを必要とするシステムは少ないです。一方、8-bitを使用するプロファイルは16-bitを使用するものより小さくなります。

カスタムプリンタプロファイルは、ソフトウェアによって書き出された余分のデータを含みます。MonacoPROFILERの場合では、オリジナルのパッチ測定データおよびプロファイルの作成に使用された設定を含みます。それは、プロファイル自体に保存されるセッションファイルのようなものです。また、プリンタプロファイルを編集すると、プロファイルデータが変更されるだけでなく編集内容も保存されます。これは、今後プロファイルを編集、または元に戻す時に既存の編集が表示されるようにするためです。編集すればする程、プロファイルのこの部分は増えていきます。

Adobe製品に付属する「USWebCoatedSWOP.icc」プロファイルの内容を見ると次が分かります:

  1. Adobeプロファイルは、A2B側で軸ごとに9ステップのみを含みます。Profilerは17を使用します。
  2. A2B0 (知覚的) およびA2B2 (彩度) タグは同じデータセットを指します。Profilerは、B2Aに正反対となるA2Bタグをそれぞれ作成します。
  3. B2A参照テーブルは、16-bitではなく8-bitを使用します。
  4. プロファイルの作成ソフトウェアからベンダーに特定するタグは含まれません。

カスタムプロファイルのA2B側の詳細は、出力装置のより正確なソフトおよびハードプルーフを提供します。「USWebCoatedSWOP.icc」の2つのA2Bタグはそれぞれ41,478バイトで、カスタムプロファイルは3つの固有の、それぞれ558,552のA2Bタグを含みます。「USWebCoatedSWOP.icc」のB2Aタグはそれぞれ145,588バイトで、カスタムプロファイルに加わる精度はそれぞれ344,892のタグを作成します。 Profilerの今後のリリースで再作成および特別な編集機能が可能な、ベンダーに特定するタグは、ファイルサイズに726,892バイトを追加します。

カスタムプロファイルがさらに大きいのは、装置の特性に関する詳細を提供するため、またプロファイル作成ソフトウェアの追加機能としても必要なためです。「USWebCoatedSWOP.icc」のような一般プロファイルも手動で調整され、装置の特性を処理せずにガモット全体においてスムーズで均一な結果を確保します。これにより、ノード数が減少、またはカスタムプロファイル程に重要でない低い精度が発生します。精度または装置のレスポンスが色彩的に極めて均一でスムーズであるよりも、小さなプロファイルであることが重要であれば、カスタムプロファイルの作成時に、ノード数およびMonacoPROFILERの「プロファイル作成オプション」ページの精度を減らしてください。