CIE は標準イルミナントの定義の他に、標準観測者の定量化を試みました。 標準観測者の開発は機器で行う全てのカラー測定の基準となっています。
1931 標準観測者(2°視野)
1927年に観測者が正しい量のレッド、グリーン、ブルーの光の「ダイヤル」を回して、一つの色に合わせる検査器が開発されました。 この検査器の前に座る観測者を想像してみてください。 2°の視野を備えるアパーチャーのホワイトスクリーンを覗きます。(親指のつめを離して見るような感じです。) 次に、レッド、グリーン、ブルーの光の強度を調整して、スクリーン片側の光を一致させるように要求されます。 テストソースを一致させるに必要な3つの主要光源の量は三刺激値と呼ばれています。 観測者が全ての可視スペクトルの色を一致させるまで検査を続けます。
実験には2°の視野が使用されました。 これは、窩として知られる色に最も敏感な目の網膜範囲のみを使用できたことを意味します。
2つの実験が物理学者のジョン・ギルド氏およびデビッド・ライト氏によって行われました。 ギルド氏は7人、ライトは10人の観測者を使いました。 2つの別の観測者グループのデータは数理的に組み合わせられました。
実験結果により証明されたことは、全ての色を主要セットで一致することはできないことです。 主要色の一つの光をテスト色に追加して一致させるケースもありました。 テスト色に光を追加するのは、もう2つの主要色から差し引くのと同じで、正または負の三刺激値の組み合わせで記述されたテスト色となります。
引き続き行われる標準化実験にデータを使用するために、CIE は全ての負の数値を取り除くことが必要であると考えました。 これを達成するには、標準三刺激値曲線を数理的に変換し、レッド、グリーン、ブルーのレスポンスを正にすることです。 この変更はレッド、グリーン、ブルーの新しい主要色セットが既存のランプで再現できないことを表しました。 これにも拘らず、1931 年に CIE の標準観測者曲線が平均観測者に対する「標準」レスポンス曲線として採用されました。
3つの標準観測者曲線は、人間の目の機能に直接関連するものです。 人間の目の3つの反応を表します。 これはカラーマッチ機能として知られています。 3つのカラーマッチ機能は、x バー、y バー、z バーの記号が与えられています。 これらの機能は、グリーン範囲で最も高い感度を持つ人間の目の分光感度(550 nm における電磁分光エネルギー)に一致します。 この標準観測者の機能と関連する数理的データは、カラー測定と算出の世界における基準となっています。
1964 観測者(10°視野)
ほとんどの視覚的評価が2°以上の視野にあるため、2°の視野で計算された値は視覚的評価と上手く関連しないことがあることが後に判明されました。 広い視野、特にスペクトルのブルー/グリーン範囲においては、わずかな差が存在します。
CIE は 1964 年に、商業用のカラーマッチにより優れた関係を提供するため、補足的観測者を定義しました。 補足的観測者は、10° の視野で行われた実験に基いています。
標準観測者の反復性は、大きな視野を使用するとさらに正確であることが分かりました。 今日、10°の視野は調色およびカラー品質管理に最もよく使用されています。