現在のような測定器が現れるまで、カラーは主に人間の眼(ご存知の通り不安定)を基準として調整・操作されていたため、色の合わせ込みは一部の人以外には非常に難易度が高いものでした。
測定器の登場はカラーマネジメントの技術を可能にし、デバイス間の色を近づけることを可能にしました。
色を測る測定器には大きく分けて次の2つの種類があります。色彩計(Colorimeter)と分光測色計(Spectrophotometer)です。
色彩計と分光測色計は、色を測定するための装置です。段ボール包装から食品、洗濯石鹸、カーペット、プラスチック部品に至るまで、最初に指定された色と一致するか、確認できます。プラスチック、テキスタイル、塗料、コーティング、印刷、パッケージ印刷など、色が重要なあらゆる業界で使用されます。
1. 色彩計の原理
色彩計は、人間が色を知覚する方法を模倣します。色彩計の原理は以下のとおりです。
色彩計は三刺激値を測定する機器です。人の目の感度に合ったレッド、グリーン、ブルーのフィルターを使用することによって、光や色に対する人間の目の反応に応じた値を得ることができます。いくつかのアプリケーションによっては最も安価に品質管理が行えるツールとなります。
色彩計は、メタメリズム(ある光源で同じに見える2つの色が他の光源で異なって見えるという現象)を補正することはできません。 色彩計では、1種類の光(白熱光またはパルスキセノン光など)を使用しており、またメディアの分光反射率が記録できないため、メタメリズムによるカラーシフトを予測することができません。
2. 色彩計はどこで使われるか?
色彩計は、コンピューターのモニターのキャリブレーションによく使われます。モニター上の色を正確に再現できるか確認できます。また、色の指定にも使われます。例えば、デザイナーは、デザインに使用するインスピレーションの色をキャプチャーするため、持ち歩きます。しかし、色彩計は限界があります。メタメリズム(ある照明条件下では2つの色が一致するように見えますが、光が変わると一致しなくなります)に対して、盲目であるため、すべての生産用途(特に調色)には使用されません。
3. 分光測色計の原理
分光測色計は、より高度な色測定を行え、色に関するより多くのデータを取得することができます。分光測色計の原理は以下のとおりです。
分光測色計はスペクトルの透過率・反射率や相対放射率を測定するための測定器です。スペクトルの各カラーは、異なる波長のエネルギーを発しています。これらの波長はナノメートル単位で測定可能です(10億分の1メートル)。分光測色計はスペクトルの各波長エネルギーを読むことによってカラーを測定します。この方法は、RGBしか読み取らない色彩計と比べ、よりたくさんのカラーを読み取ることができるので、基本的にそれらの測定器より正確です。 分光測色計は精度を重要視し、繰り返し測色を行う場合には、適切な選択肢となります。
分光測色計は、主に色彩計と同じ原理なのですが、1つの違う点があります。それは「フィルター」です。色彩計で色のRGB値を決定する3つのフィルターではなく、完全なカラースペクトルを測定するために、31のフィルターを使用します。これらのフィルターはサンプルの色を決めるため、31の異なる波長のそれぞれの光を測定します。
分光測色計は、小型(ポータブル型)から大型(ベンチトップ型)、製造工程で測色を行えるインライン装置まで、さまざまな形やサイズがあります。分光測色計は、異なる光源の下で、色がどのように見えるか評価できるため、メタメリズムにも対応できます。
スペクトルの各カラーの波長は以下のとおりです:
赤:630から700nm
オレンジ:590から630nm
黄:560から590nm
緑:480から560nm
青:360から480nm
カラーの測定時、分光測色計は物体が反射しているスペクトルのエネルギー波長を測定します。
4. 分光測色計はどう使われるか?
分光測色計は、液体、プラスチック、紙、金属、布など、あらゆる物体を測定できます。主に3つの種類があります。
- 0º/45º(または45º/0º)分光測色計は、サンプルに対して、一定の角度で光を照射し、光沢を除外することで、人間の目による色の見え方を最も忠実に再現します。平滑面やマット面の色測定によく使用されます。
- 積分球分光測色計は、拡散光を照射し、光沢を除く測定(SCE)と光沢を含む測定(SCI)の両方を行えます。テキスタイル、カーペット、プラスチックなどの質感のある表面や、メタリックインク、箔の印刷、光沢の強い表面などの光沢のある表面、鏡のような表面など、使用されます。
- マルチアングル分光測色計は、単一の角度で光を照射するではなく、複数の角度で測定します。つまり、サンプルを前後に動かし、色を見るように、サンプルを傾けて様々な角度で色を見ます。マルチアングル分光測色計は、マニキュアや自動車用コーティング剤などの用途で使用されます。また、マイカやパールセントなどの添加剤を使用した特殊コーティング顔料やエフェクトコーティングにも使用されます。
多くの分光測色計は、透過モードで試料の不透明度やヘイズを定量化することができます。また、紙、プラスチック、織物などの製品をより白く、より明るく見せるため、メーカが添加する蛍光増白剤を評価することもできます。
現在の分光測色計は、統合されるカラーマネジメント戦略をサポートしながら、オペレーター間や製造現場の間で最も信頼性が高く、再現性のある色測定を行えるよう、設計されています。
5. 最適な分光測色計を選ぶには?
最適な分光測色計を選ぶには、使用の用途と価格帯によって決められます。一般的には、装置の解像度が高ければ高いほど、良い作業を実現できます。色彩計は、厳密な色管理が必要ない場合に使用されます。基本評価や色の取り込みなどです。分光測色計は、赤、緑、青だけでなく、スペクトル全体を測定できるため、より正確な色データを得ることができます。研究開発、色彩配合、品質管理など、幅広い用途に使用されます。
色の品質管理について、ご不明な点がございましたら、エックスライトまでお問い合わせください。お客様の現場状況に合わせ、最適な分光測色計をご提案します。