拡張色域印刷:特長&使用法

Posted October 16, 2021 by Mark Gundlach

拡張色域印刷

製品バリエーションやリーン生産方式の需要に伴い、コンバーティング作業をより迅速に、またコストの削減に努めることが要求される今日です。ブランド・デザインに実現可能な色を指定し、印刷機の設定時間を短縮、またロットを低減するには、拡張色域印刷/固定カラーパレット印刷が有効な方法です。

このビデオでは、エックスライト社のカラースペシャリスト、マーク・グンドラックが拡張色域印刷/固定カラーパレット印刷について、ブランドオーナー、デザイナー、コンバーターにもたらす特徴を説明します。

拡張色域印刷とは何ですか?

拡張色域のプロセスカラーで印刷すると、CMYK+オレンジ、グリーン、バイオレットを含む、より広域なカラーガモットが可能になります。これら 3 つのベースインキを追加することで、従来の調色スポットインキカラーにより近似するカラーマッチングが実現します。例えば、オレンジはイエローとマゼンタを混合するよりも、オレンジのインキを使用すると忠実で純粋なオレンジになります。

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良好:CMYK

CMYK は経済的なプロセス印刷ですが、PANTONE スポットカラーにマッチングするのはわずか 55% です。目標を達成するための試行錯誤に時間とコストがかかり、満足した結果が得られません。

デジタル印刷機が使用される場合は、拡張色域ガモット、あるいは CMYK 着色剤には通常の CMYK 印刷よりも広範囲なガモットが含まれます。これは着色剤の高価なコストによるためです。CMYK デジタル装置は通常、65% の PANTONE スポットカラーにマッチングします。

 

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さらに良好:拡張色域

7 色プロセスは CMYK に比べてより純粋で、明るく、さわやかな効果を生み出し、90% の PANTONE スポットカラーにマッチングします。常に実現可能なスポットカラーのマッチングを行い、時間とコストを削減しましょう。

 

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最も良好:PANTONE スポットカラー

PANTONE MATCHING® システム のスポットカラーは、正確で一貫した、理想的な色を再現します。

 

拡張色域印刷の特徴

拡張色域印刷の大きな利点は、CMYKOGV インキの「固定パレット」で設定される印刷機を使用し、ジョブごとにインキを変更せずに、ほとんどの PANTONE+ カラーを確保できることです。作業に使用可能な PANTONE+ カラーに制限はありません。

有名なブランドはすでに固定パレットを効果的に使用していますが、市場では反対意見が見られます。その理由の一つに、インキ分解とアミ点パターンを印刷機に「混合」する心配があります。これは、印刷とカラー品質管理が重要な点です。リアルタイムでフィードバックを出力し、工程全体において印刷機のモニタリング、必要な調整を素早く行うシステムが必要です。

ブランドオーナー&デザイナー

デザイン工程に PantoneLIVE を導入することで、印刷の技術・基材に対する PANTONE スポットカラーの実現性を判断することが可能です。そのため、複雑なサプライチェーンにおいても、より正確で変動の少ない色を確保します。拡張色域印刷は CMYK よりも、PANTONE スポットカラーに近似します。

包装印刷

拡張色域印刷はスポットカラーインキを排除し、インキの在庫およびコストを低減します。90% の Pantone カラーは、CMYK+オレンジ、バイオレット、グリーンで実現します。スポットカラーは、Esko Equinox などのソフトウェアを使用し、固定カラーパレットに簡単に変換可能です。

これにより、インキカラーを変更する必要がなくなり、作業間におけるチェンジが排除されます。複数のジョブを組み合わせ、迅速なメイクレディ作業を実現します。

拡張色域印刷をサポートする製品

下記は、印刷品質を測定、監視、管理し、拡張色域のスムーズな導入をサポートする 5 つの製品です。

1 - X-Rite eXact

eXact は多様な印刷/パッケージ素材に正確で一貫した測定値を出力するポータブル分光測色計です。多忙なプレスルームに最適です。コードレスおよび斬新的なカラータッチスクリーンのディスプレイを用いて、印刷/パッケージ印刷のプレスルームにおけるカラーの把握、制御、管理、コミュニケーションを行います。アミ点、ドットゲイン、ドットゲインテーブル、印刷特性曲線の設定機能が備わる eXact 分光測色計は、拡張色域のスポットカラーおよびプロセスカラーの両方を測定します。

eXact XP モデルは、様々なパッケージやフィルム素材を測定可能。ラミネート加工された素材にも対応します。eXact Auto-Scan はパッケージング対象に、従来式、カスタム、非継続的なストリップを 15 秒以内に測定します。これを ColorCert または InkFormulation ソフトウェアと併用し、色を印刷の全工程において検証し、最新状態に維持します。

eXact XP 分光測色計に適した用途ですか?本ブログでは、フィルムに変動が見られ、偏った測定値につながる場合を事前に検知する方法を紹介しています。フレキソフィルム色の管理に重要な点.

Press Console eXact 

2 - PantoneLIVE プロダクション

現物の色見本はカラーワークフロー上において重要な役割を果たしますが、デジタルスタンダードの色見本は、ワンランク上の連結性を提供します。デジタルスタンダードは化学性、正確性、繰り返し精度が高く、現物の色見本に比べ、長年変動することがありません。デジタルスタンダードは、多様な基材、インキ、印刷技術に対応します。また、複数の印刷会社で複数の色見本を使用するよりもさらに効果的です。

PANETONE Sheet弊社ではデザインやブランドに PantoneLIVE デザイン を提供し、それぞれの基材、印刷工程、インキ、用途に応じてカラーを指定します。また、アプリケーション「ビジュアライザー」が付属するため、印刷条件に応じて Pantone+ スポットカラーがどのように再現されるかを判断します。例えば、フレキソ印刷ラベルとオフセットのパッケージ印刷では、色の再現がどのように異なるかが気になるかもしれません。また、カラーを指定し、デザインを Pantone カラーで正しくプレビュー表示できる Adobe Illustrator® のプラグインが付属しています。

弊社では、印刷業者およびコンバーター向けに PantoneLIVE プロダクション のライセンスを提供しています。このライセンスはエックスライト社で使用され、プリプレス、プルーフ、インキ調色、生産品質管理を目的に、サード パーティ アプリケーションにもサポートされています。このライセンスは、プリプレス向けに拡張色域の CMYKOGV カラーに変換する、エスコ製アプリケーションにも有効です。これにより、定義された色、スポットカラー、拡張色域は、ワークフロー全体において一貫した色を実現します。

4 - ColorCert スイート

印刷/パッケージングのワークフローに品質と一貫性をもたらす鍵は、実用的な数値のカラーデータのコレクションを生成し、インキルームとプレスルームで基準色とカラーマッチングを行うことです。モジュラー式/ジョブベースのソリューション ColorCert は、印刷品質をリアルタイムでチェックします。デスクトップ ソフトウェアとの併用により、プリプレス、インキルーム、プレスルームを含む、生産ワークフローの関係者全員を連結します。

レポート出力機能は、印刷機のパフォーマンスを監視し、生産問題を速やかに検出します。また、問題に応じて対応策を立案し、全工程におけるリアルタイムの検証を行います。ColorCert は X-Rite eXact と併用し、拡張色域印刷の正確な工程に必要なすべての情報を収集します。

5 - NetProfiler

測定値とは装置の正確性がそのまま反映されたものです。NetProfiler 品質管理ソフトウェアは装置のモニタリング、キャリブレーションの確認、履歴およびパフォーマンスレポートを出力します。NetProfiler は世界に広がる生産現場において、装置のパフォーマンスを検証および最適化します。NetProfiler は、すべての装置に対する相関関係を維持します。