グローバルなパッケージング(包装)サプライチェーンで2,000色以上のブランドカラーを管理(色管理)しようとすると、どうなるでしょうか? とても複雑なことになってきます!
最も近いカラーマッチを見つけるためにデータベースやカラードローダウンのファイルをひっくり返し探すより、新しい色を作成するほうが簡単かもしれません。 しかし、後で、管理不能な巨大なライブラリーができてしまう問題が発生します。
X-Rite社のクライアントの一つで、誰もが知る大手消費財生産会社は、物事がいかに簡単に制御不能になるかを理解していました。 彼らは、独自のカラーライブラリーを使用することで生じる時間とコストの非効率性を克服しようと戦っていただけでなく、ブランドカラーの作成、伝達、管理の標準化に欠けていることを知っていました。 生産コストは高く、品質は悩ましいものでした。 彼らは何かを変えなければならないことを分かってはいましたが、どこから始めるべきか知りませんでした。 そんな時、私たちはクライアントに出会いました。 今日、私たちの予測を超えた成功事例を共有しています。
カラーライブラリーが制御不能になるとどうなるでしょうか? クライアントである会社の代表者は、2000色以上のカラーライブラリーを発展させることが意味することをこう説明します。 「私たちは独自のカラーライブラリーを使用して、Pantone社が50年以上にわたって仕様と伝達を標準化してきたことと、本質的に同じことをしているのだと気づいたのです。 」品質も悩ましいものでした。 プロジェクトを開始する前に、我々は新しく作られたばかりの歯磨き粉のパッケージ(チューブ)をカラーサートのスコアカードColorCert Scorecardsで評価(カラー評価)しました。 得点は100点中14点~25点と、合格点数の50点にも達しませんでした。
PantoneLIVEが改善します!
PantoneLIVEは、印刷会社やパッケージ(包装)印刷会社が、サプライチェーン全体を通して正確で達成可能な色を共有することを可能にします。 (パッケージのカラーマネジメント) 共通のカラースタンダードを使用することで、ブランドオーナー、デザイナー、印刷担当者は、異なる基材、インク、印刷機、で達成可能なものは何かを正確に把握し、色を管理することができます。
PantoneLIVEを使用し、当社のサービスを活用することで、この会社はカラーライブラリーを統合し、基材、色材、印刷方式にあわせたスタンダードをPantone Colorsにマッピングし、カラー伝達プロセスを標準化しました。 これから、それを実現するため採用したカラーマネジメントサービスについてお話ししましょう。
1 - 私たちはアナログ的に集められていたファイルから、デジタル値を集めました。
その後、各色の分光データをPantone Colorsへ、クライアントの指定した許容範囲内でマッピングしました。 ブランド固有のカラースタンダードからPantoneに移行することで、無駄な余剰を減らし、より種類の限られた、管理しやすいパレットに仕上げました。
2 – 近い色を統合することで、カラーを合理化しました。
合理化とは、カラーライブラリーを分析し、事実上同じような色のデータを統合するサービスです。 この合理化されたカラーセットが標準のPantone®マッチングシステム(PMS)のマスターカラーにマッピングされ、PantoneLIVEで参照できるようになります。 ブランドカラーがPMSカラーにマップされていない場合、PantoneLIVEプライベートライブラリーにカスタムカラーを追加できます。 このビデオ(英語)では、X-Rite Pantone Senior Color Scientistの Edward Hattenbergerが、カラーライブラリーの合理化とマッピングの多くの利点について説明しています。
カスタムカラーとPantone Colorが類似している場合は、Pantone Colorに置き換えました。 色差がはっきりと認識できるほど大きい場合、ブランドオーナーは最も近いPantone Colorに置き換えるか、新しい色を作成するかを選択できます。 私たちは最終的に約100色の新しい色を作成しました。約3分の2がPantone Libraryに標準Pantone Colorsとしてインポートされ、残りの色は会社固有のものになりました。 最終的に、カラーの合理化によって当初2000色以上もあったパレット色の数が元の約半分に減ったのです!
3 - 印刷サンプルをカラー評価し、比較しました。
視覚的評価に加え、実際の印刷サンプルとPantoneLIVEのデジタルな従属スタンダード(基材やインク印刷方式を考慮したターゲット)と比較しました。
4 - サプライチェーンで全ての人が同じカラーソースにアクセスできる。
これはPantoneLIVEの素晴らしい機能の1つです。サプライチェーン全体で誰もがデジタルカラーライブラリーを利用できるようにする機能です。
めざましい結果
ついに、この会社はカラーライブラリーを約2,090色から1,035色に縮小しました。 これは、デザイナー、代理店、ブランドマネージャー、 プリンター/パッケージングコンバーターが、幅広い色から選択し、伝達する、より迅速でより費用対効果の高い手段を手にしたことを意味します
ブランドオーナーは、新しいプロジェクトや印刷品質を評価するために、指先ひとつでカラーデータを取得できるようになりました。 デザイナーは、PantoneLIVE Visualizerにアクセスすることができます。 PantoneLIVE Visualizerは、選択された色が異なる基材、インク印刷方式上、異なる照明条件下で、どのように表示されるのかを見ることが出来るアプリケーションです。 また、印刷担当者は生産全体の一貫性を管理できます。
しかしおそらく、最も劇的な変化は、品質の向上です!デルタE 12という高い値からデルタE 0.98という平均値まで下げることが出来ました。冒頭でお話した歯磨き粉のパッケージを覚えていますか? PantoneLIVEを実施した後、同じ歯磨き粉チューブの最初のColorCert Scorecardは、100のうち89点まで向上しました!
このパイロット・プロジェクトが成功した後、同社はプリントサプライチェーン全体でこのプロセスを展開し始めました。 「現在、標準的な操作手順があり、X-Rite Pantoneのカラー専門知識を活用し、品質が飛躍的に向上しています。 これにより、市場投入までの時間を短縮し、全体的なコストを削減することができました。 また、Pantoneはライブラリーに色を追加できるため、我々は必要に応じて独自の色を作成することができます。 これは、全体的な品質と効率に大きな違いをもたらしました。Xrite社の援助なしには達成できなかったでしょう。」
PantoneLIVEに興味がありますか?
PantoneLIVEの利点を得るために、2000色のカスタムライブラリーが必要な訳ではありません。 X-Rite Pantoneが店頭でブランドが際立つパッケージ作りをお手伝いできるかについて、お気軽にお問合せください。 PantoneLIVEで優れたブランドカラーを達成する方法の詳細については、以下の無料のリソース(英語)をご覧ください。
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