X-Riteのテクニカルサポートチームでは、よく「印刷の濃度の単位はなんですか?」という質問を受けます。 濃度というのは照明される光の光量と反射(もしくは透過)される光の光量の比から算出されます。同じ単位同士の比ですので、濃度には単位がありません。 よく1.50DなどとDをつけることがありますが、これはDensity(濃度)のかしら文字のDを付けたもので「この数値は濃度の値ですよ」という意味で単位というべきものではありません。
図-1
濃度の計算は反射率の逆数の常用対数で求められます。
つまり、反射率=反射光強度/入射光強度ですので、この逆数は入射光強度/反射光強度となり、濃度の計算は
となります。
ただし、入射光強度も反射光強度もある重み付けをして評価したものを使用します。 濃淡に関するビジュアル濃度の場合、人間の目の波長応答の特性で重み付けをします。具体的には、人の明るさに対する応答特性のv ̅(λ)で重みつけをした値を使用します。
また、CMYなどのプロセスインキの評価に使用する濃度などはインキなどの色材の特性に応じて特徴的な波長領域での重み付けを使用して評価した値を使用します。 この辺のことは次回以降、濃度ステータスで詳しく触れたいと思います。
そもそもどうして反射率の逆数や常用対数のlog10を使用するのでしょうか?逆数は単純に反射率と濃度は反対の関係にあるからです。 反射率が高くなれば白っぽくなるので濃度は低くなり、逆に反射率が低くなれば濃度は高くなるからです。常用対数を使用する理由は何でしょう? 人間の感覚量は色だけではなく、音などもこの常用対数を使用した数値化がおこなわれます。これは人の感覚量はその刺激の絶対値ではなく変化量に反応するからです。
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