以前にも紹介しましたがCIE13.3による演色評価数 いわゆるCRI_Raでは、以前から問題点が指摘されており、様々な新しい照明の演色評価用のインデックスが提案されています。 その中から代表的なものを紹介します。
CQS Color Quality Scale
米国のNational Institute of Standards and Technology (NIST)が提案する演色評価インデックスで、 比較的再度の高い15サンプルを使用し、CRIが彩度の高い演色性に対してポイントが低くなる問題点を修正しています。 基準光の分光分布は、サンプル光の相対色温度が5,000K以上はDイルミナント、サンプル光の相対色温度が5,000K未満はプランク放射の分光分布を使用します。 色差の計算はL*a*b*空間で計算し、サンプル色の色度から基準光への色度の色順応補正はCRIのVon KreisからCMCCAT2000へ変更されています。
Qa、Qf、Qgといったインデックスが用意され、
Qa:彩度が高くなる方向の演色照明は減点しないインデックスで、好ましい演色性を高く評価するインデックス
Qf:忠実な色再現を高く評価するインデックス
Qg:15サンプル色の評価照明と基準光における色域比較:Qg=評価照明での色域/基準光での色域
全体評価
TM30-18/CIE224 2017
いわゆるCIE Rfというインデックスです。
CAM02-UCSという均等色空間に均等に分布するターゲット色99色を使用
基準光の分光分布は、サンプル光の相対色温度が5,000K以上はDイルミナント、サンプル光の相対色温度が4,000K以下はプランク放射の分光分布を使用。その中間はスムーズにつなぐような分光分布を使用。
サンプル色の色度から基準光への色度の色順応補正はCIECAT02
色差計算はCAM02-UCS上で計算。
全般的な演色性を評価するRfと評価照明と基準光における色域比較のRgがある
Rf:全般的な演色性を評価:100が最高点
Rg:評価照明での色域/基準光での色域:基準光と色域サイズが同じならば100、大きければ100以上、小さければ100以下になる。
99色をCAM02-UCSのa’M、b’M平面で22.5度の色相ごとに16のグループも分けて、グループごとのローカル色再現:Rf h、ローカル彩度偏移:Rcs h、ローカル色相偏移Rhs hを評価。(hは第一色相グループのh1から第16色相グループのh16まで)
評価のポイント
1.Rf≧78でRg≧100の下図グリーンのエリアが推奨
横軸Rf - 縦軸Rg グラフ
2.第1ローカルグループ(赤系)の彩度偏移Rcs-h1が -1≦Rcs-h1≦9%
3.②でグリーンの領域にある照明が演色性の良い照明と評価されます。
全体評価
このような複雑な計算を要する演色評価インデックスですが、市販のBabel Color 社製のCT&Aとお手持ちのi1Pro/i1Pro2の環境光測定機能対応モデルを使用することで、 簡単に測定できるため、一度使用している照明光の演色性を評価してみてはいかがでしょうか? (あくまでも簡易的な演色性の評価とて考えた方が良いと思います。)