前回のブログ「照明評価の条件等色指数って何?」で印刷本紙に蛍光増白剤が多く含まれる場合、 照明の評価としてMIuv(蛍光条件等色指数)の値が重要になると説明しましたが、「使用する用紙には、どの程度蛍光増白剤が含まれるか?」をどのようにチェックすればよいのでしょうか?
ISO15397では蛍光増白剤の含有量を示す指標としてΔb*を定義しています。
このインデックスではM1で測定したb*とM2で測定したb*の差を数値化した値が使用されます。
Δb*の値で、使用する用紙の蛍光増白剤の含有量を以下のようにクラス分けしています。
評価 | Δb*値 |
FAINT | 0<Δb*≦4.0 |
LOW | 4.0<Δb*≦8.0 |
MODERATE | 8.0<Δb*≦14.0 |
HIGH | 14.0<Δb* |
FAINTやLOWの用紙の場合、その上に展開されるインキ色をM0で測色してもM1で測色しても大きな違いはありません。
MODERATEやHIGHになってきた場合は、M1を使用したワークフローを利用することが望まれます。
ちなみに、eXactの最新ファームウエア4.0およびM1-Part2が有効化されている機器でこの増白インデックスΔb*を簡単に測定することができます。 注意:古いファームウエアからアップデートしたeXactではM1-Part2を有効化するためにメーカー再校正が必要です。
下のeXactでの測定値Δb*は、手じかにあった用紙を測定してみた例です。
PantoneLIVEバッキングシート
海外の印刷紙の例
コピー紙の例
印刷コート紙の例
海外で使用される用紙は大きなΔb*の値が示される用紙もあるようです。
大きな値を示す印刷本紙を使用する場合は、ISO3664のMIuvが指定の1.5以下の観察照明を使用すると共に、測色やICCプロファイルの作成をM1ベースで実施することが重要になります。